腰痛とは
腰痛は原因が特定できるものと原因がわからないものの2つに大別されます。
(1)原因が特定できるもの 全体のおよそ15%
腰椎に直接関与するもの:椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・骨折・感染やガンなど
臓器の周囲にある神経の阻害:循環器系の病気(心筋梗塞など)・消化器系の病気(胃潰瘍やがんなど)・泌尿器系の病気(尿路結石、腎盂腎炎など)・婦人科系の病気(子宮筋腫など)
これらの腰痛の場合、痛みの要因となっている疾患の治療でよくなっていくことが多いです。
(2)原因がわからないもの 全体の85%
画像診断など病院での検査ではハッキリと原因が出ないものです。
原因がわかっているものであっても手術のリスクなどがあり保存的治療(神経麻酔ブロック・薬物療法や牽引療法など)になってしまうことが多いです。
東洋医学における腰痛
東洋医学には現代的な解釈がしづらい言葉がよく使われます。”気”とか”邪”とかまるで陰陽師にでもなったかのごとく聞きなれない言葉が多いです。(ちょっと意味合いが違う言葉など)ですので少し嚙み砕いてお話します。
気滞(きたい)…体の中には気がグルグル巡って色々な場所にパワーを送っているのですがなにかしらの原因で気が滞って(とどこおって)しまった状態。ストレスや運動不足などが原因になったりします。
痰湿(たんしつ)…体の中の栄養分を含んだ水分が循環しなくなって滞りがおきドロドロになった状態。食べ過ぎ・飲みすぎ・運動不足などが原因になったりします。
瘀血(おけつ)…体の中の血が循環できなくなって一つの場所に停滞してしまい新鮮さを失う状態です。
外邪(がいじゃ)…気候の変化がからだに影響をおよぼすこと。風・暑・湿・燥・寒・火と6種類あります。寒さによる冷えや蒸し暑さなどが特に影響します。
腎虚(じんきょ)…生命活動の源である精をつくる臓器=腎が元気をなくしている状態。妊婦さんなど赤ちゃんに自分のパワーを分け与えているときや性生活のみだれなど。
脾虚(ひきょ)…栄養を全身に送り届ける器官である脾が元気をなくしている状態。届けられなくなった栄養が上記にあげた痰湿に変化してしまいます。これは食べすぎとはちょっと違うので厄介です。
これらが東洋医学における腰痛の原因です。
当院での治療
当院では一般よりも長くて太い鍼を使用します。その為鍼特有のズーンというひびきが強くでることがあります。また症状によりお灸・電気鍼(パルス鍼)をおこないます。腰の筋肉は深い場所にあるのでマッサージや整体では届きにくい構造になっているので鍼での施術でしかアプローチできません。